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セルロースファイバー [研究eco住宅]

eco住宅と言えば、住まいの温熱環境性能を上げることは必須です。簡単に言ってしまえば、断熱性能を上げること。断熱材と言えば、これまた色々と種類がありまして、断熱材の製品自体の性能はもちろんのこと、施工性や費用、数年後の経年変化などなど、いろいろな角度から考えなければなりません。

例えば、安く最も使われているといわれている断熱材は、大工さんに施工してもらうわけなのですが、隙間が多く出来てしまったり、湿気を含んだまま放湿せずどんどんと縮んでしまい、数年後には断熱の効果が全く無くなってしまうことがあります。他に、性能としては優秀だけれど、熱に弱く、屋根下の夏の高温に耐えられず溶けてしまう、火にあたると有害物質を発生する、そんなものもあり、注意が必要です。

さらにさらに、ecoを唱えるならば、その製品を作る時のCO2発生量や、解体する時にリサイクル可能かどうか、そのあたりのことも充分考えたいところです。

そんな中、古紙を利用した、「セルロースファイバー」 という断熱材について勉強させていただく機会を得ました。これは新聞紙の古紙を利用していまして、生成時のCO2発生量が少なく、eco製品として注目され、製造しているメーカーも増えてきているそうです。南大泉を拠点にされている自社施工されている ㈱マツナガhttp://www.ms-matsunaga.jp/index.htmlというメーカーの方で、月曜日に営業の方が説明に来てくださいまして、本日は施工現場を見学させていただきました。少しレポートをまとめておきたいと思います。

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 ↑ 柱と梁の間に入れる断熱材です。このパイプを通じて、断熱材がどんどんと流れていきます。

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 ↑ 下地材にシートを張り、セルロースファイバーを入れていきます。現場で吹き付けすることで、隙間無く断熱材を充填することが出来ます。断熱にとって隙間は大敵でして、例えば1㎡あたり0.03㎡(例えば3cm×1m) の隙間があると、断熱の性能としては30%程度下がると言われています。

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 ↑ 密度は60kg/m3 だそうでして、パンパンに充填されている様子。パイプを入れていた穴から断熱材が飛び出すなんて事はありませんでした。穴はシートで塞ぎます。この密度は一般的に使われている断熱材の2.5倍の密度があり、防音効果もあるそうです。

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 ↑ 勾配屋根部分も入ります。この現場では、厚さ150mmとのこと。きちんと充填されているかどうか確認しながら吹き付け作業が続きます。夏の高温は屋根からの熱の取り込みが大きいですので、屋根だけでも断熱をしっかりしておくと良いように思います。

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 ↑ 換気扇などの穴も吹き付け前に見込んでおくようです。パイプで吹き付けるので、吹き付ける場所の幅としては40mm以上必要とのこと。

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 ↑ パイプが隅々まで届かせることで、隙間までしっかり充填するということ。パイプ穴は1m程度ごとに設けなければならないそうです。現場でシートを切っていただいたのですが、しっかり充填されているので全く落ちてきません。後から換気の為の穴を開けてもその周りの断熱材が落ちてくることはないようです。

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↑ ㈱マツナガさんのセルロースファイバーは100%天然素材だそうでして、容積率で98%が新聞紙、他に麻、ホウ酸、撥水材が入っているそうです。 (重さの割合では81%が新聞紙でその他が19%) 麻は長年の間に断熱材が沈んでしまうことを防ぐそうです。新聞なので、湿気に対しては吸放湿性を見込めるそうですが、雨漏りなどの水に対してはこの撥水材が有効だそうです。

ホウ酸は難燃対策、防虫、防カビのためとのこと。現場で火をつけてくださったのですが、すぐ消えました。表面で炭化するため、燃え広がらないそうです。

コストとしては少々お高いのですが、費用対効果を考えると優秀な部分が多いように思いました。

㈱マツナガの皆様、お忙しいところ、お時間をいただきましてありがとうございました。


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