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竣工 [良相の家]

家相にこだわった住まい 「良相の家」 が12月に竣工しました。写真をまとめたのでアップしたいと思います。

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↑ 敷地は真南に整形というわけではありませんで、東に少し振れています。その敷地条件からL型の建物形状にしてはどうかとの提案もしたのですが、整形に近い形の方が家相から考えても望ましいとのこと、この形になりました。敷地西には駐車場があるため、騒音を考えると開口部を少なくしたいところなのですが、午後はこの方向からの方が日照を望めることから、掃き出し窓を一箇所設け、視線を遮るシートを窓に貼っています。

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↑ 外構工事については、設計図のみ提示しまして、工事はお施主さんが直接外構工事業者さんと向き合いながら進めるとのこと。外回りは水道関係や、土間コンクリートまでは建物の工事業者側で造りました。 

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↑ 外壁は漆喰壁と、羽目板に見える部分はサイディングです。軒裏は杉板に保護塗料を塗りました。屋根を軽く見せる為に、大工さん泣かせの細工を色々と加えています。「兎に角、長持ちする家にして欲しい!」 とのことでしたので、やはり信頼出来、長く風合いを楽しめ、断熱機能を持つ素材としても優秀な和瓦をお勧めしました。屋根は通気層のある二重屋根でして、遮熱シートを貼り、断熱材も入っていますので、夏の2階も涼しい現場でした。

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↑ 軒は十分出しました。雨の多い日本における木造住宅は、水との戦いだと思います。雨漏りを防ぐことはもちろんのこと、壁の汚れや、壁への雨水の侵入などを考えれば、大きく屋根を掛けることは、すなわち耐久性を向上させることに直結すると考えられます。また、漆喰壁は耐久性のある素材ですが、水に弱いこともあり、軒を出すことは漆喰壁を守ることにもつながります。

1階床は土から84㎝の位置にあります。床を高くすることで湿気が床下に廻ることを避けることが出来ます。木造では、湿気があるところで床に近い部分では白アリに食われる恐れがあります。お施主さんからの希望ですが、建物にとってはとても良い策です。

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↑左:広間の前、ベランダ下の深い軒  外構工事でデッキを造ることを意図しています。物干し竿を設け、1階床からほぼ段差無しでデッキに出られるノンレールサッシにしましたので、家事も楽々でしす。

↑右:屋外流し  お施主さんの希望で、子供さんの靴を洗える流しと、足を洗える足洗い場を外に設けました。足洗い場の水栓は双口ですので、一方を車を洗うためのホースにつないでおくことが出来ます。ちなみに、この水栓の位置も家相に配慮し、裏鬼門から外しました。

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↑左:玄関下駄箱  大きな下駄箱と、その横には姿見を製作しました。下駄箱は大工さんと建具屋さんが造ってくれました。建具はシナ合板の白ペンキ拭取りです。なかなか良い風合いになりました。

↑右:玄関吹抜けから玄関を見下げる  玄関戸は両開きの断熱サッシです。玄関には吹抜けと、玄関戸上部にガラスのはめ殺し窓(FIX)を設けましたので、明るく爽やかな玄関になりました。床には大理石を貼りました。

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↑左右:下駄箱  下駄箱には傘を入れておけるようステンレスバーを入れたところもあります。建具に細工をしましたので、取手金物のないスッキリした下駄箱になりました。

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↑左:玄関吹抜けの見上げ  室内は、部屋内は漆喰壁、廊下やホール、和室は和紙を貼りました。

↑右:広間側から玄関と和室を見る  床は複合フローリングです。風の通りが良いように視線が続く先に窓があるように計画しています。引き戸を多用していますので、家中風通しを望めます。

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↑左:和室から縁側の障子を見る  和室には長押を回しています。この障子、2間(柱芯で3,640mm)ありますので、長押の上、小さい開口部の中央部に小さい柱(束(ツカ))が必要なところなのですが、細工をしまして、スッキリ障子だけでこの開口部を見せるようにしました。

↑右:床の間を見る  床柱はヒノキの磨き丸柱です。爽やかな和室をイメージしました。天井は無垢の杉板です。壁は和紙を貼りました。左の引き戸が玄関ホールに続きます。

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↑トイレ  お客様も使うトイレは、玄関ホール奥に配置しました。壁は、杉の板に木材保護塗料を塗りました。窓の下に便器を配置するのではなく、壁側に便器を配置。便器奥の壁にはトイレットペーパーを入れておくスペースを造りました。

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↑左:玄関ホールから広間を見る  広間の引き戸は吊戸で、レール無し、自動で閉まる機構のあるものにしました。

↑右:玄関ホール吹抜けの見上げ  小屋裏収納の階段がある関係から、手摺高さは1.4mあります。

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↑広間  大きな開口部の前にデッキが設けられる予定です。テーブル上の照明はもう少し低い方が良いのですが、写真を撮った後に電気屋さんが低く調整してくれています。敷地が東に触れていますので、午後はテーブル奥の吐き出し窓から日が入ります。

1階の天井高は2,630mmです。さすがに伸びやかな広間になりました。床暖房も入っていますし、サッシはYKK最高グレードのエピソードです。外がアルミで室内側が樹脂、ガラスはlow-e遮熱ガラス、電動シャッターで、かなり快適なのではないかと思います。

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↑左:広間入口を見る  引き戸の上(欄間)にはガラスをはめ殺しました。中央に見える収納上部に神棚のスペースを確保しました。

↑右:広間から台所を見る  空間を全く区切らないアイランドキッチンです。ダウンライトを多用しました。シャンデリアは8灯ありますが、スイッチの操作で灯数を減らすことが出来ますし、調光出来るLEDのダウンライトを一部採用していますので、夜の落ち着いた雰囲気づくりにも役立つかと思います。

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↑左:階段横、神棚収納横の壁を見る  スイッチ下の扉は消火器を置くスペースで、お施主さんからの要望です。広間の壁は漆喰壁ですので、壁の角を保護する意味から、コーナーガードとして高さ1.3mの木枠を突壁に設けました。お子さんが角に頭をぶつけたとしても、多少は和らいだ痛みになるのではないでしょうか。

↑右:神棚、収納を見る  収納の中は和紙を貼っています。開けておいてインテリアとしても大丈夫なように仕上げしました。収納の上が神棚です。2階建ての1階部分ですから、神棚上部に歩く人はいない印として、板で雲を彫りこんだもの(雲板といいます)を手前に貼りました。神棚の中は色を塗らず白木のままにしています。

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↑左:勝手口を見る  広間の奥は左に洗面所と浴室、右に洗濯場と階段があります。洗面所に入るところは引き戸、階段下の洗濯場は折れ戸で、スムーズに家事を行う時には開け放しにしておけます。 洗面所には物干し竿金物を付けました。ここでハンガーやピンに干してから外へ持って行きたいとのこと。

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↑左:洗面所から浴室を見る  洗面所から浴室への扉は3枚戸で、大きな開口部が確保できます。水回りは鬼門も裏鬼門も避けた位置に設けています。

↑中央:洗面所  窓の位置を工夫しました。洗面所にはお客様がいらっしゃることがあるとのこと。洗濯機を洗面所に配置することは避け、階段下のスペースに洗濯機を入れられるようにしました。

↑右:洗濯場  階段の幅が壁芯で1.2mありますので、階段下のスペースでもかなり余裕があります。家事をしていれば、このあたりに窓が欲しくなるだろうなぁ~と考えられる位置に窓を設けました。ワタクシも主婦ですので。。。

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↑左:階段室  家中に風が通るようにして欲しいとのことでしたので、吹抜けの手摺も合わせて格子の手摺にしました。集成材の階段ですが、迫力の美しい階段になりました。階段中央には飾棚として使ってもらえば良いかなぁと思います。

↑右:階段から吹抜け側を見る  2階も開口部の位置を充分検討しましたので、かなり明るい廊下やホールとなりました。 ホールに面する手摺高さは1.1mあります。男の子のハードな使い方にも対応できるかと思います。^^;

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↑左:子供部屋1から階段室を見る  子供部屋1の入り口は3枚引き戸です。個室として使わない内は、ホールの延長として風も光も通るようにしました。個室使いの時は、金物で建具を固定します。

↑右:階段室から子供部屋1を見る

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↑左:主寝室の書斎  ↑右:主寝室  主寝室のダウンライトは蛍光灯ながら調光出来るものです。

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↑左:書斎  机の右側の壁にはコンセントやインターネットジャックを設けています。

↑右:主寝室の飾棚  壁をくりぬいて飾棚を造りました。写真ではないですが、ガラス棚が2枚ほど入りました。思い出の品を飾るとか。

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↑左:2階ホール  洗面台の横壁は天井まで延ばさず、手摺高さまでにしました。

↑右:2階ホールから子供部屋2,3を見る  子供部屋2,3は個室使いとなった時に間仕切り壁を造れるように、その位置に壁下地を入れてあります。

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↑子供部屋2,3  それぞれに1間幅(1,820mm)のクローゼットを設けました。

引っ越しは12月上旬の青い空が本当に美しい日でした。無事この日を迎えることが出来て、設計者としても幸せな限りです。地元の工務店さんが施工していますので、維持管理を考えると建物にとっても幸せな条件です。これからも末長いお付き合いを!是非!


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