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人工乾燥材を使うことはエコか? [研究eco住宅]

伐採した木を、製材すればそのまま建材として利用できるかと言えば、そうではありません。乾燥をさせて、含水率を20%前後に下げてからでないと、支障をきたします。含水率が高い材料を生木(グリーン材)というのですが、生木は乾燥する途中で割れたり反ったり、縮んだりします。生木を使って家を建てるとなると、その木が乾燥する途中に建具が動かなくなったり、ボルトが緩んだり、カビが生えたり、建物に致命傷を与えかねません。

木は乾燥をしなければならないのですが、伐採して葉をつけたまま山に3か月ほど放置する葉枯らし乾燥や、製材してから2.3年かけて天然乾燥を行ったり、重油や灯油を使って人工乾燥をしたりすることになります。重油や灯油を使うことに違和感を感じる方もいると思うのですが、天然乾燥をするには材を乾燥させておく工場が必要になりますし、それを管理する人が必要になり、年月を重ねれば金利もかさみ、確実に割高になります。まして、樹種によっては天然乾燥に10年以上かかる材もあります。

ええ。人工乾燥材を使うこともエコですよ。ワタクシはそう思います。天然乾燥材だけしかエコとは認めないなどと言ってたら、日本の木を使える、天然乾燥材を買えるだけのお金を出せる人は、極限られた人になると思うのです。そうなったら、日本の木が使われることは少なくなり、山の手入れをして生計をたてる人、木を切り出して市場に売って生計をたてる人などなど、山で生計をたてる人にお金が入らなくなり、今よりももっと山の手入れがされなくなること間違いなしです。

プロとして見極めなければならないのは、乾燥の仕方だと思うのです。乾燥して使えない材料になってしまっては問題です。と、この話は長くなるので、また今度。

エコは出来ることから、各個人が出来る範囲でやるのが良いと思うのです。油を使ってタンカーで外国から運んでくる材の方が安い時代に、日本の山のためにと、少し割高な国産材を使うこと自体が素晴らしいことだと思うのに、さらに割高な天然乾燥材を使うことしかエコと認めないなんて。そりゃ酷な話だと思いませんか? 30代、40代の年収の平均が一昔前より200万円低くなっているともいわれている昨今、毎日のおかずをふりかけにして山のためにと、お金出せますか? 

茨城あたりの民家は生木のまま組み上げて、そのまま1年放置し、乾燥させてから2年かけて内部の造作をするとか。その間の仮住まいの家賃出せますか? 皆が皆、出せるわけではないのではないでしょうか。出せない人は出せないなりのエコを考えれば良いと、ワタクシは思うのです。


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