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芸術品が身近にある暮らし [子育てを楽しむ家]

 現代計画研究所に勤めていた時の先輩で、建築業界から一転、ガラス制作の芸術界に身を置かれている神代良明さんに無理をお願いしまして、ガラスの作品を作っていただきました。お施主さんの希望のイメージをお伝えしまして、とても難題だったようなのですが、出来上がりはとても素晴らしいものになりました。神代さんの全力を注いでいただいたとか。芸術家の全力を毎日目にすることが出来るなんて、なんと贅沢で、豊かな暮らしでしょう。毎日、元気を頂けるのではなないでしょうか。私のつたない写真撮影技術で本当に申し訳ないのですが、精一杯レポートさせていただけると幸いです。

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↑ 表札です。玄関ポーチの格子に組み込みました。10mmを超える厚いガラスです。空を取り込むイメージで制作をお願いしまして、色々と試行錯誤をしていただいたようです。写真では目と口のように違和感のある部分がありますが、お施主さんの苗字が彫り込まれています。この苗字の掘り込みが細い文字で彫られていまして、厚みのあるガラスの力強さと文字の繊細さが絶妙なバランスを醸し出しています。取り付けをしてくれた大工さんやガラス屋さんから「カッコイイね~」の一言をいただきました。表札は家の顔ですので、この存在感は家の格を上げてくれることでしょう。

 これまでインターフォンカバーと兼用に表札を作ることが多かったのですが、今回、インターフォンと表札は分けました。インターフォンのこの無粋な感じがどうも好きになれずカバーを取り付けていたのですが、ガラス制作上、大きな穴を開けられないこともあり、カバーが映像に映ることになり、それはインターフォンの性能を十分発揮出来ないことであり、お施主さんのご意向もありまして、今回はインターフォンのカバーは制作しませんでした。

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↑ 表札を背面から見ています。淡い透き通った青が上方へ向かってグラデーションになっています。空を切り取ったイメージです。ガラスの表札の良いところというのは、光を通すところだと思います。今回は、表札を壁付けにするのではなく、取り付け部分だけ下地材を設けて、光を通すことを考えました。夜の写真を撮影していないのが残念ですが、丁度この裏側上部にダウンライトを設けていまして、夜は美しく浮き上がって魅せるよう工夫しました。

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↑ 玄関は木製引き戸です。有効開口幅は80cm確保しました。米ヒバで建具屋さんに制作を依頼しました。建物は準耐火構造ですが、玄関扉は是が非でも木製で一品物を手作りしてもらうことを提案しました。もちろん木製でも建築基準法的に問題のない位置に玄関扉を設けています。玄関扉は家の顔ですので、既製品ではなく、オリジナルにこだわるべきだと考えます。ただ、そのために性能を落とすことは論外ですので、細部のおさまりも吟味して、使い勝手の良いように、断熱性能も良いように、安全性ももちろんのこと、考えられるありとあらゆる工夫をしています。こうすることで、晴れて、制作ガラスを入れられるわけです。鍛造ハンドルも手作りです。

 ここのガラスも表札と同じく、空を取り込むことをイメージして制作をお願いしました。

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↑ 玄関扉の6枚のガラス部分について、屋内側に防犯ガラスを入れました。ガラスとガラスの間にポリカーボネイト板が入っていまして、割れにくく、ガラスを破るまでの時間を稼ぐものです。神代さんに作っていただいたガラス自体が9mmほどありますので、そもそも割るには大変なものなのですが、お施主さんもご希望もあり、念には念を入れました。

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↑ 屋内側から見た玄関扉です。空のイメージ通り、上部に行くほど青くなります。

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↑ この澄んだ青を出すためにとても苦労されたとか。サンプルをいただいた時は泡が満載だったのですが、泡が多いと空ではなく海に見えてしまうところ。極力泡が出ないようにすることが本当に大変だったとか。ガラス制作は化学実験に似たものなんですかね。。。素材で魅せるとはかなり難しい世界のようです。

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↑ 玄関から広間に入る引き戸です。桧の枠材とメープル合板で構成された建具ですが、この4枚の透明ガラスも制作していただきました。お施主さんのご希望で、ご家族それぞれの誕生日の季節が題材です。構図の作成も神代さんにお願いしました。以下、春夏秋冬順に並べます。

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↑ 桜の遠景です。ハラハラと桜吹雪ですね。

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↑ 夏の入道雲の遠景。海に浮かぶ入道雲が見えるようです。

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↑ モミジの遠景です。風になびいているイメージでしょうか。

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↑ お月見の遠景です。何ともこのお月様、素敵です。ガラスの泡とお月様のクレーターがぴったりですね。

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↑ 個室に入る引き戸にもガラスを制作していただきました。この建具はタモ合板のフラッシュ戸です。各お部屋を使う方の誕生日の季節を題材にしています。

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↑ 桜の近景です。この丸みを帯びた感じが何だか可愛らしくて良いですね。

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↑ 入道雲の近景です。何とも力強い

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↑ モミジの近景です。泡がなんだか雨上がりの紅葉を思わせます。

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↑ お月様の近景です。なかなかこの構図は思いつきません。映画のETを思い出してしまうのは、古い証でしょうか。山にかかったお月さまですね。

 取り付けは引き渡し後のことでお施主さん方が既にお住まいでした。可愛いお子さん方が家中を歩む中、このガラスの丸みを帯びた感じが何とも雰囲気にぴったりでして、ガラスといえば一般的に冷たい印象を持つ素材だと思うのですが、このガラスは何だかあたたかく感じられ、気持ちがほっこりしたものです。流石ですね。

 お忙しい中、難題ばかりで大変だったかと思います。本当にありがとうございました。お施主さんにも喜んでいただけて、うれしい限りです。神代さん!またお付き合いお願い申し上げます!!!


コメント(2) 

コメント 2

コージロ

ありがとう。楽しかったです。
良質な素材が気持ち良さそうに収まっていて素敵なお家だと感じます!
暢気さん、工務店さん、そして辛抱強く納期を待って下さったお施主様、ありがとうございました!末永く佳い時間が重なりますように!



by コージロ (2016-06-10 14:43) 

笠原けい子

神代さんコメントありがとうございます!!!
またお願いしますね~!!!
by 笠原けい子 (2016-06-13 14:27) 

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