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竣工 [セカンドライフを楽しむ家]

セカンドライフを楽しむ家は2013年の夏に無事、竣工を迎えることが出来ました。春が近づく今日このごろですが、報告したいと思います。お施主さんの引越しは2月で、外構工事竣工が8月。何はともあれ、お施主さんは充実したセカンドライフをおくられているご様子。一安心でございます。

長いので、スクロールでさ~っと見ていただけると幸いです。

 義父と義弟が営みます株式会社匠(埼玉県熊谷市)が施工し、役物と呼ばれるような木は兄が営みます中村木材http://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300306779-1で調達しました。使えるものはなんでも使う方針でして(*´ω`*)。。。

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 ↑ 北東から見る

 朝日が瓦に当たって、何とも美しい屋根ラインが浮かびます。東と南に道路が面する、都会ながらお日様が充分臨める敷地条件です。正面に見えるのが玄関アプローチです。

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 ↑ 南東角から見る

 屋根を大きく掛け、壁から屋根の先端まで(軒の出)1m以上確保しています。軒の出が大きいと夏の厳しい日差しを遮ってくれますし、雨水による壁の汚れを防ぎます。瓦屋根は断熱性も耐久性も優れていて、住宅の屋根素材としては優秀な仕組みだと思います。バルコニーは幅4間(7.2m)×奥行き1間(1.8m)確保していまして、物干し竿を取り付けましたが腰壁を高くしましたので、干された洗濯物は道路からほとんど見えません。

 屋根は、雨や雪に対する対策を第一に考えるべきかと思います。日本の気候を舐めて掛かると大変なことになると、今年の大雪に再確認した次第です。

 サッシはアルミサッシを使いました。複層low-eガラスを使用しています。

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 ↑ 生垣(ギンバイカ)の白い花

 南の道路境界沿いにはお施主さんのご要望もあり、塀ではなく生垣を作ることになりました。樹種はギンバイカにしました。ふわふわとした可愛らしい白い花が咲きます。結婚式のブーケに利用されることが多く、キャサリン妃のブーケにも含まれていた花です。生垣に使われる樹種としては比較的高価ですが、公的な生垣助成を利用しました。これは震災時に塀が倒れることで人が怪我をしたり、道路を塞ぎ消火活動に支障が出ることを避けたりするため、公が道路境界付近を生垣で収めるよう推進するもので、生垣を施工する際は助成金をいただくことが出来ます。

 6月にお施主さんから「可愛らしい白いお花が咲いたわよ!」と弾んだ声でお電話をいただきまして、なんだか嬉しくなり、激写に伺いました。一年目はさすがに花が少なかったですが、全体が白く見えるほど花が咲くかと思います。毎年6月が楽しみですね。

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 ↑ 南西から軒裏を見る

 雨樋はガルバリウム鋼板でして、瓦屋根の耐久性と同じく、寿命の長いものです。 出窓もしっかりと防火対策を行いました。

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 ↑ 玄関前の軒裏を見る

 柔らかな左官壁とmm単位で刻まれるシャープな木ラインが良い均衡を保ちます。外壁はゲーテハウスのユニプラルを採用しました。ガラス質の骨材を使ったもので、耐久性が期待できます。

http://www.goethe.co.jp/unipral.html

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↑ 玄関アプローチを見る

 玄関へは写真の北側と、駐車場側の南側からのアプローチが可能です。北側の階段は一段あたりの高さ110mm程度を3段、南側の階段は一段あたりの高さ175mm程度で2段です。お施主さんには北側の階段の方が好評です。写真正面はポストで、玄関と同じ鍵で開けられます。

 このアプローチ、排水管の出入り口が位置するところにありまして、お施主さんの希望もあり、蓋が並ばないように設備工事屋さんに頑張ってもらいました。

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 ↑ 玄関を見る

 玄関前の木列柱はブラジル材のイペで作りました。耐久性50年と言われている材料ですが、風雨にさらさらされることもあり、取り替えることの出来る収まりにしてあります。手すりを支える機能もありますが、玄関前がすぐ道路という見え方を変えたいというお施主さんのご要望もあり、取り付けました。この柱の大きさも間隔もかなり悩みました。

 四季の移ろいを感じられるように植栽を計画したいところですが、セカンドライフを楽しむ家であるべきでして、木のお世話が大変にならないよう、高木と呼ばれるものは植えないようにしました。さりとて、花が咲いたり実がなったりするとそれだけで嬉しいものです。写真右、アプローチにシンボルツリーとしてヒメリンゴを植えました。その足元には、コクチナシやセンリョウを植えています。難を転ずると言われている縁起木のナンテンも植えました。木列柱の足元に植えられているのはオタフクナンテンで、冬には紅葉を楽しむことが出来る常緑樹です。

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↑ ヒメリンゴの実

 9月にお伺いした際、ヒメリンゴの実がなっていて「可愛いわね~」とのお声をいただきました。何だか設計者としましては嬉しくなってしまいます。ヒメリンゴはよく伸びるので、思い切った剪定を毎年していただきたいところなのですが、春は桜に似た花が咲き、秋には実がなる落葉中木で、盆栽としても愛されている木です。

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 ↑ 玄関網戸を見る

 玄関の上吊引戸は木製建具です。防火上、建築基準法で定められている延焼の恐れのある範囲をギリギリ避けていますので、建具屋さんに作ってもらえる建具を入れることが出来ました。なので、神代さんに作っていただいた装飾ガラスを入れることが出来ました。この網戸も上吊引戸でして、夏はお施主さんに大好評でした。「料亭みたいでイイよ!」とのこと。

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↑ 玄関からギャラリーを見る

 ギャラリーにはお施主さんのお気に入りの絵が数枚飾られます。幅広の廊下は家全体にゆったりした雰囲気を醸し出します。玄関に使える空間が少なかったことから、階段の上り口を玄関側に配置することで広がりを持たせました。階段下は屋内から利用する収納はもちろんのこと、屋外から利用できる収納も設けました。

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 ↑ 玄関の下駄箱を見る

 桧の建具を入れています。下駄箱の中は傘を入れられるよう、棚板の奥行に工夫をしています。上がり框(土間から床へ上がる端部の材料)は中村木材から調達した松材です。幅広の材料で、それはそれは美しい木目の板でしたので、兄からはこの斜めカットは辞めてはどうかと提案ありましたが、土間の広さにゆとりがありませんで、お施主さんのご希望もあり、設計図通りカット。この下駄箱の前の広がりの部分に花瓶などを置いて飾ることを意図しています。

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↑ 玄関の縦手すりと飾り棚(ニッチ)を見る

 縦手すりは鍛造です。廊下だけでなくほとんどの壁に、後々手すりを取り付けられるよう下地材が入っています。飾り棚の板は上がり框のカットした部分を利用しました。

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↑ 階段の上り口を見る

階段板と蹴込板(縦方向の板)は中村木材から入れた松材です。安定感抜群です。手すりは木で造作することも提案したのですが、お施主さんが丸棒でしっかり握れるものを望まれたので既製品を使いました。私も出産し、帰宅したすぐは手すりがないと移動できませんでしたから、そのお気持ちよくわかります。手すりはしっかり握れるものを取り付けたいものです。

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↑廻り階段を2階の廊下から見る

 回り階段はバリアフリー当観点から見れば、あまりオススメされるものではないのですが、段数を少なくして階段途中に踊り場を設けるよりも、1段あたりの高さを180mmに抑えることを優先しました。階段幅にゆとりを持たせていますので、ゆったりと上がっていけます。松の幅広板が見事です。

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↑ 床板も中村木材から調達です。吉野桧です。品の良いお姿で、裸足で歩くと誠に心地良い床です。

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 ↑ ギャラリーから洗面所とトイレの扉を見る

 トイレの建具は上吊3枚引戸で、洗面所の建具は上吊引戸で戸袋に収まりますので、双方ゆとりの開口部です。

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 ↑ パイプスペースを見る

 廊下突き当たりのパイプスペースは、ホウキやモップなどの長いものをしまう収納にしました。これが奥様に大好評。「私も主婦ですから。」なんて、胸を張ったりして。

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↑ トイレの入口引戸

 3枚引戸で連動して動きます。上吊引戸で、1m以上の開口幅を確保しています。

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 ↑ 1階トイレを見る

 洗面所とトイレの壁は杉の一等材の羽目板に、しみこむタイプの白色保護塗料を塗りました。手洗器と便器、後ろのこげ茶の棚もTOTOのセット品を使いました。タンクが収納されていますので、凸凹が少なく掃除が楽と、選ばれるお施主さんが多いように思います。その上には壁内に収納棚を作りました。トイレットペーパーなどが入っています。自前のカメラマンが鏡に映ってますね。。。。

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↑ 洗面所を浴室を見る

 洗面所にも桧の床板を貼りました。しみこむタイプの木材保護塗料を3回塗っています。壁にはタオル棚を設けました。浴室から出たところの手すりは、裸で近づくことを考慮し、端部の金物に凸部の無い、丸みを帯びたものを使いました。

 浴室はタカラのユニットバスです。木の浴室も提案したいところなのですが、義父や兄にも尋ねたところ、土台の耐久性を考えれば水漏れの無いユニットバスが良いとのこと。タカラは義父お勧めのメーカーで、ホーロー壁に浴槽ですので耐久性も抜群です。

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↑ 食堂横の飾り棚を見る

 インターフォンの親機を設置。コンセントは電話の子機を置くことを想定しています。

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↑ 寝室から食堂と台所を見る

 「セカンドライフを楽しむ家」が大きなテーマですが、第一の提案は、寝室、食堂、台所、神棚に仏壇、浴室に洗面所を1階に配置しすることで、階段を上り下りせずともおおよその生活を送ることが可能です。2階には書斎と12畳の洋間を設けました。第二の提案は、将来的に握力の低下が予想されることから、少しの力で動かせる上吊引き戸を多用しました。レールが床にありませんのでつまづく危険性を最小限に抑えることも出来ると思います。

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↑ 食堂の通風雨戸を見る

 セカンドライフを楽しむことを考えると開閉作業が楽な電動シャッターをお勧めしたいところなのですが、以前お住まいになられた住まいがそうだったように、お施主さんのご要望は雨戸が良いとのこと。 しかも以前のお住まいでは欄間部分は別サッシになっていて、夏の夜は欄間サッシを開けて快適に就寝されていたとか。この方式は現行法規では防火上問題あり。これは色々と悩みまして、一部に通風機能のある雨戸を入れることにしました。この雨戸は開閉角度が調節できるので、スダレ替わりに使うことも可能です。快適のようなのですが一般的な雨戸より重いようでして、開閉がひと手間掛かるとのこと。既製品を使うとなると満点はなかなか無いですね。。。

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↑ 食堂から和室と寝室を見る

 1階は引戸で部屋を間仕切りますが、全て戸袋に収まるのでワンルームとしての利用が可能です。右の寝室の木壁に見える部分はクローゼットと天袋です。クローゼットは柱芯で2.5間(4550mm)の幅があり、上下各3枚の引戸で大きい建具ですが、上吊ですので楽に開閉出来ます。

 欄間部分(引戸の上)にはポリカーボネートと呼ばれる透明な板を入れました。ガラスより割れにくい材料です。

  

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↑ 寝室の扉を締めたところ

 和室は上吊引戸で締切ることが出来ます。和室正面は神棚と仏壇置き場です。和室の天井板は杉の無垢板です。大工さん御用達の材木屋さんが調達してくれました。畳は琉球畳です。引戸は土佐和紙を貼っています。

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↑ 台所を見る

 台所入口には壁に新聞置き場を作りました。雑誌や本など、食卓に置かれがちな我が家の惨状を鑑み、提案させていただいた次第です。台所の手元照明は吊戸を支える壁下枠に設けました。

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↑ 食堂を見る

 お施主さんが引越しをされてから外構の打ち合わせにお伺いした時の写真です。これがまた快適で。桧の匂いはもちろんのこと、オフホワイト色の漆喰壁が空間に柔らかい印象を与えているのかもしれません。収納もたっぷりで、道路からの視線も気にならないとか。

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↑ 2階廊下から洋間の引戸、トイレ開き戸、洗面コーナーを見る

 建築基準法の北側斜線内に建物を収めるため、2階の階段と洗面所、トイレの天井を斜めに下げました。壁沿いに立つことはありませんので、生活上不便はないかと思います。照明は全て蛍光灯ですが、電球色を採用していますので温かみがあります。LED照明も検討したのですが、お施主さんがご自身で電球を交換できて、さらに断熱材に囲まれる場所での設置は採用できる製品がありませんでした。

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↑ 書斎から階段室側を見る

 松の3枚接ぎ(3枚の厚板を接着剤で合わせた幅広板)の机は、松の脚も手伝って安定感抜群です。棚は杉の集成材で作りました。この東の窓からは、お施主さんお気に入りの公園の遠景がのぞめます。お施主さんは、この書斎にこもられるのが日課とか。「セカンドライフを楽しむ家」としては必須の部屋です。

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  左:2階洋間の出入り口と絵画収納を見る  右:絵画収納を見る

 絵画は絵の面方向に引き出すとなると手前にある絵画を順番にどかしていかなければならず、何とか、額の側面方向から引き出せないかと考案し、この収納棚を作りました。この上下の引き戸も上吊戸ですので、ギャラリーの絵画入れ替えも比較的楽に出来るのではないかと思います。

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↑ 2階洋間から階段室側を見る

 2階の壁は土佐和紙を貼りました。正面、壁の直角部分に木がありますが、これはコーナーガードです。高さ1.3mまで角を取った材を入れました。全ての角にコーナーガードを入れてあります。角で足や頭をぶつけた時の衝撃を和らげるように、また、掃除機などが当たって壁を壊すのを避ける意味もあります。これは子育てを経験したからこそのアイディアです。愚息に感謝しなければなりません。

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↑ 2階洋間を見る

 12畳のこの洋間は色々な用途に使うことが考えられます。奥様はたくさんのお友達がいらした時にサロンとして使われているそうです。家族構成に変化があった時にも対応出来ることでしょう。正面の建具は上吊引戸でクローゼットと天袋があります。部屋の幅は柱芯で2間(3640mm)あります。

 

 窓前に天井から棒が2本吊り下がっているのは、物干し竿をかけられる金物です。雨の日はここに干しておけますし、この金物は取り外すことも出来ます。1階の寝室にも取り付けてあります。

 職人さんの手作り感が所々で感じられる住まいになりました。竣工まで長い時間をいただけたこと、お施主さんに本当に感謝したいと思います。お二人共、充実したセカンドライフを送られているそうでして、まさに設計屋冥利につきます。お施主さんには、お住まい共々、これからも末永く、お付き合いいただけると幸いです。

 ダラダラと長いレポートですが最後までお読みいただき、有難うございました。m(_ _)m

(基本計画から工事、竣工までの流れが分かるページはhttp://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301792082-1 です。)


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ガラス 手作り品を身近に置いて、職人さんから元気をもらおう [セカンドライフを楽しむ家]

セカンドライフを楽しむ家は、お施主さんの引越が終わって早いもので半年になります。植栽工事は終了したのですが、工務店さんの都合で外構工事が一部終わっていませんで、ネットでの配信をためらっているところです。なので、総括は後まわし。ガラス制作の作家さんに作っていただいた表札が先日やっと取り付きましたので、その報告と、建具用にも制作していただきましたので、手作りガラスの魅力についてお伝えしたいところです。

アトリエ暢氣の基本理念の一つに、「手作り品を身近に置いて、職人さんから元気をもらおう」 と掲げています。既製品を使う方が安く早い昨今ですが、長くその風合いを楽しめるのはどちらかと言われれば、手作り品が圧勝なのは言うまでもなく。さらに手作り品には不思議なあたたかみもありまして、まさに元気をいただけます。と言っても、既製品だけで家一軒余裕で建設出来る今日このごろ、これだけ既製品があるのには理由がありまして、手作り品は取り付け時の不具合が発生することがあるように、既製品は何せ無難。最初からカタログで眺められるように、クレームが少ないのは否めず。既製品はクレーム対応の賜物といっても過言ではないと感じています。ですが、そんなリスクも頭に置きながら、お施主さんにはしっかり説明しつつ、怖がらず、長く愛せる住まいを作るためにも、手作り品の提案はどんどんと行っていきたいところです。

今回、無理をお願いしました作家さんは神代良明さんです。現代計画研究所に在籍している頃の先輩でして、建築の世界から一転、ガラス芸術の世界に歩まれた方です。Googleで画像検索してみると、作風が伺えます。で、今回は、作風とは全く別の厚板ガラス。受けていただけるかどうかダメもとでお尋ねしたところ、OKしていただきまして両手をあげて万歳した次第です。

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↑ 廊下と広間を仕切る引き戸です。建具は全て上吊で、人が出入りする建具は全て引き戸です。無垢の桧板を貼っています。

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↑ この3箇所のガラスの撮影が上手くありませんで、この写真が一番良いのですが、3枚とも違うものでして、水を思わせる泡が上<中<下と段々と増えるデザインになっています。厚みは10mmほどありまして、深みのあるデザインです。 このハンドルも手作り品です。茨木の職人さんに製作をお願いしました。

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↑ 暢太に、このガラスを見せた瞬間、「水だ!!!水だよ、水!!!」 とてもいい反応で思わずニンマリ。 

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↑ 玄関です。中村木材http://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300306779-1調達で、桧や松で造作しました。玄関扉は無垢の米ヒバ板を貼りました。玄関扉が木製建具というのは防火関係の建築基準法上、国土交通省の認定品以外を使うのは難しいのですが、そこは私、しつこい性格でして、平面計画を立てる段階から手作りの木製建具が使えるよう考察しましたので、問題なし。建具屋さんに存分に腕を振るってもらいました。上吊りの引き戸で、ガラス部分は複層ガラスを入れた上で装飾ガラスを入れていますし、板部分にはとても性能の良い断熱材を入れています。すきま風が入らないようにパッキンも入っていますから、断熱性能もバッチリです。神代さんが作ってくださった数枚のサンプルから5枚を選んで雨が降ってくる物語をつくりました。

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↑ 一番上の一枚目: おや、怪しい雲が出てきたなぁ。。。

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↑ 2枚目: ポツポツと降ってきたな。。。

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↑3枚目: 雨の降り始めは、池を眺めるのがいいんだよな~。。。

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↑ 4枚目: おおお、雨が強くなってきたぞ。

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 ↑ 5枚目: 雨も強くなってきたし、帰ろう。。。 

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↑ 屋外側に配置しまして、街路から見ても楽しめます。夜のガラスから漏れる光の様子もなかなか良いですよ。

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↑ 玄関前です。右のボックスは郵便ポストです。玄関と同じ鍵をつけました。植栽工事は終了しまして、玄関前も落ち着いてきました。終わっていない外構工事はこの玄関前でして、木の塀と手すりが着く予定です。アプローチは車側からは175mmの2段の階段、北側からは110mmの3段の階段です。双方の段差の使用感の違いは大きいそうで、たった65mmの差なのですが、セカンドライフを考える上では重要ポイントです。ガラスはインターフォンカバー兼表札として制作していただきました。

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↑ 木のイメージです。厚みは10mm以上あります。右側に2箇所不自然なところがありますが、そこに名字を削ってもらいました。上に漢字で、下にローマ字です。制作は本当に大変だったと思うのですが、木の葉や枝の雰囲気が出ていて、まさに家の顔。感謝感謝です。神代さんありがとうございました! これに懲りず、どうかまたよろしく願い申し上げます!!!

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↑ 毎日暑いですね。玄関には引き戸の網戸をつけました。これも上吊りの鍵付き引き戸。風が通ると好評のようで、一安心です。


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地松の書斎机 [セカンドライフを楽しむ家]

1月末に無事、完了検査済証をいただきまして、ドヤ顔状態でホット一息。引越しも済み、只今、外構工事中です。タイミングを見て、写真をアップしたいと思うのですが、しばしお待ちを。

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 ↑ 1m×2mの書斎机です。実家の中村木材㈱http://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300306779-1による松の無垢板で、3枚接ぎ。50mmの厚板を3枚つなぎ合わせます。本物はやはりいいですなぁ。自然界の力が宿っています。三重から乗用車で来て、早朝に東京に着いた両親は、机を組み立てて、日帰りで帰って行きました。(^^;


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謹賀新年 2013年 [セカンドライフを楽しむ家]

 あけまして おめでとう ございます。

本年も住まいづくりに真摯に、謙虚に取り組む所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。 

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軒裏は木 [セカンドライフを楽しむ家]

1月下旬の竣工を前に、工事は着々と進んでいます。都会のど真ん中の現場ではありますが、まさに念願の、軒裏(屋根の裏側)に木を貼ったお姿を拝見することが出来ました。建築基準法違反ではありません。きちんと順守させていただいています。正直、ニンマリ( ̄ー ̄)な気分です。あちらこちらにしつこく電話を掛けて粘り強く策を考えた成果と、ワタクシ、ドヤ顔気分だったわけですが、外回りの左官職人さんに、「和風建築ではよくある手だよ。」と言われ、青い青い自分を痛感した次第です。

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都会のほとんどは準防火地域に入っていまして、延焼の恐れのある範囲では定められた防火対策を施さなければなりません。その結果、軒裏には防火認定のとれたボードを使うことがほとんどで、それが都会の景観をつくる要素ともなっています。軒裏に木を使うことについては、構造材の上に30mm以上の板厚のものを貼った手法であれば可能とされてます。デザイン的に軒裏にゴツゴツとした構造材が現れても良いとするならばそれでも構わないのですが、木や瓦といった昔ながらの信頼できる素材を使いながら、木造建築にありがちな田舎臭さの払拭がデザインテーマでして、美しい屋根をデザインすることを目標とするワタクシとしましては、何としてもスッキリ屋根にしたいところ。大工さんには本当に苦労をおかけしましたが、軒裏に構造体を見せず、面としての木の軒裏を作ることが出来ました。

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↑ 杉の一等材を貼りました。周りの縁がこげ茶色で、軒裏が木のそのままの色で、このままのデザインでも悪くないと思うのですが、軒裏も他の外回りと同じく、こげ茶色の木材保護塗料をしっかり塗ります。 

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↑ 構造体を見せないスッキリ軒裏になりました。 

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↑ 軒裏も塗装をしまして、軒樋付けに板金屋さんの出番です。板金屋さんにも 「最近、こんなに木使う家は無いで~良い家や~」 と褒められました。数々の現場を渡り歩いている職人さんに褒められるのは、本当に嬉しいです。 ええ。小躍りしてしまうほど♪♪♪

28日足場を外しまして、玄関の木製引き戸が入っていないなど未完成ではありますが、年賀状には何とか足場なしの写真を使えそうです。

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↑ 屋内の方も仕上げ工事真っ只中。1階の壁は漆喰でして、左官屋さんが入っていました。今回は土佐漆喰。真っ白な漆喰壁も綺麗なのですが、今回はお施主さんの希望もあり、少し色を入れました。ふんわり柔らかな雰囲気になりました。

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↑ プロの仕事は美しいですね。しばらく眺めておりました。

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↑ おおよその大工工事は終わりまして、大工さんは撤退。あとは建具に、天井と2階壁の和紙貼り、木材保護塗料塗り、照明器具取り付けですか。お正月が入るので実質あと2週間。いよいよですね。


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白華 [セカンドライフを楽しむ家]

仕上げ工事真っ盛りでして、職人さんと少し立ち話するのが楽しいこの頃です。今日は内壁の漆喰壁を塗ってもらう左官屋さんと、電気屋さん、大工さんに、建具屋さん、外壁の白華を洗う業者さんと、現場の進め方やら、他の現場での工夫やら、立ち話。ものが出来上がる過程は本当に面白く、職人さんがどこから手をつけるか、どんなところに心配事があるかを聞くというのは、設計屋としましては本当にプラスになります。勉強、勉強です。

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写真は外壁の南壁です。白い水が流れたような跡が見えます。11月中旬にモルタル塗りしてもらったのですが、やはり白華(はっか)現象が現れました。強度には全く問題ないと言われていますが、寒い時期の施工や、南壁などの日中と夜間の温度差が激しい所で起こる迷惑現象です。モルタル内部の水分とモルタルのアルカリ成分が反応して浮き出て来るものです。ネットで白華の画像を検索すると、もっと酷い画像がヒットします。

今日は、この白華を洗浄してくれる業者さんが現場に入っていました。お話を伺ったところ、白華が出てきて1日目であれば歯ブラシでも取れるとか。表面にチョークがついているとイメージしてくださいとのこと。浮き出た白い成分は、放置すると今度は壁に潜り始めるとか。日にちが経つと薬品を使わないと取れないそうです。薬品は何と、(現場で聞いた立ち話、ワタクシの記憶が正しければ)硫酸を薄めて使うとか。モルタルの成分であるコンクリートはアルカリ性でして、そのアルカリを中性化する意味で硫酸を使うとか。ああ、、、化学の勉強は大事だなぁと、思った次第です。 

1月竣工予定です。金物に外構に、完了検査の準備に。頑張りますゾ!!!


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外壁左官工事が終わりました! [セカンドライフを楽しむ家]

日曜の朝は、福山雅治の魂のラジオをニコ動の録音で聞くのが楽しみで、(・∀・)ニヤニヤしながらパソコンに向かっています。ええ。何度も聞いて、何度も(・∀・)ニヤニヤしてます♪ 

もうあと一週間でお師匠様も走る頃になるかと思うと、少々焦る今日このごろ。皆様いかがお過ごしでしょうか? セカンドライフを楽しむ家は、建物関係の木工事詳細図を全て大工さんに手渡し出来まして、少し、まぁ、ほんの少しですがホットしているところです。ここで気を抜くと、また追われに追われる時が来るので、金物に塗装に外構に、まだまだ頑張りましょうと己にムチ打つ今日この頃です。 

今週末、無事外壁の左官工事が終了しました。あっという間に見え方が変わりましたのでご報告を。

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 ↑ 下塗りのモルタルが塗られたところです。カッチリ固いイメージです。このままがお好みという方もいらっしゃいましょうが、住宅は施設でありませんで、毎日人を暖かく包んでくれる場であり、人に優しい雰囲気の街角を演出する場であることを目標に、柔らかいイメージで、それでいて締めるところは締める、そんなバランスを持った外観にしたいと思います。

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↑ 下地塗をしてから一週間ほど養生し、まずは接着剤を塗布。その後、仕上げ塗をします。今回は木ずり仕上げ。左官屋さんの腕で大きな面に表情を与えます。

下塗りをしてくれた左官屋さんと仕上げ塗りの左官屋さんは違う方なのですが、今回の左官屋さんにも、「いい家だね~」 と誉められました♪♪♪フッフッフッ♪♪♪ 

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 ↑ 色が入るとガラリと印象が変わります。緑によく合う色なので、積極的に植栽帯を設けたいところ。なのですが、「セカンドライフを楽しむ」 ことを掲げた住まいであり、年を重ねたことで住めなくなる家になってはいけないと、日常で階段を上がらず1階で生活が完結することを最優先にしたので植栽帯を設けられるスペースが少なくなってしまいまして。。。さぁ、今こそ設計屋の腕の見せ所。小さくても効果的な植栽帯を設けるべく、このアングルを含め、外観を眺める今日この頃です。

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 ↑ 軒裏です。この下地もなかなかの迫力ですが、この下地に板を貼ります。壁の質感は、まさに手仕事のなせる技。スバラシイ!!!

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 ↑ 戸袋周りもなかなかGOODです。和風のイメージを払拭するべく、収まりを考えるのに苦労した詳細なのですが、苦労した風には見えないですね。。。ホッホッホ♪

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↑ 室内の造作も終わりが見えてきたように思います。2階の廊下からトイレ、洗面所、階段を見ました。洗面所周りは杉の一等材に塗装する予定だったのですが、吉野桧床板の余った分が何とか貼れまして、階段から続く品の良い空間になりました。写真の左はトイレの壁です。ロックウールを入れて少しでも音が外部にもれないよう配慮したところです。

木を貼ると山小屋の雰囲気になる、と懸念される方が多いように思います。それも樹種次第だと、この吉野の桧板を見て思います。品の良い、誠に優しい雰囲気です。

日本の山を考えると、節のある材も使うのがエコ。大地の恵の木ですが、調湿機能や肌触りなどの人への良い影響を思うと出来るだけ使わせていただきたいところ。だけれど、節が苦手な人もいるわけでして、柔軟に考えたいと思います。今回の主役は吉野の桧で節の無い材、脇役は杉の一等材。節が一杯の材料で、押し入れや洗面所、トイレ、軒裏に使っています。室内ではしみこむタイプの白い塗料を、軒裏では濃茶色の塗料を塗る予定です。まずは、肩の力を抜いて、お施主さんの意向を伺いつつ、出来る範囲でのエコを目指したいと思います。


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外壁 左官工事 [セカンドライフを楽しむ家]

外壁の左官工事が始まりました。木の板が覆っていた建物は一変、黒いシートに覆われています。このシートはアスファルトフェルトと言いまして、防水紙です。 工期は1ヶ月ほどです。

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↑ 塗り物を操るのは左官屋さん。職人さんとお話をしまして、きちんと仕事の出来る方と確信。安心したところです。モルタルを2回に分けて(合計厚さ16mm) 塗り、その上に仕上げ材(厚さ5mm)を塗ります。

左官屋さん曰く、「いや~中見てさ~、やっぱり和風の家は良いよ~今時珍しいよね~ちゃんと和室も木で作ってあってさ~家は和風が良いよね~」

和風をテーマに設計したわけではないのですけど、、、むしろ脱和風、、、、あ、いや、いや、お褒めの言葉を素直に、ありがたく頂戴いたします。^^;

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↑ アスファルトフェルトの上には「ラス網」 と言われている網を貼ります。モルタルが壁から落ちないようにする役割があります。出隅部から割れが入らないように、見切りが入ります。正面の管は台所の換気扇につながります。周りには水を呼ばないようにシールが貼られています。

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↑ 実はブログをアップしたところ、実家の母から電話がありまして、「モルタルは割るぞ!って隣でお爺ちゃん(ワタクシの父です) が言うとるに。」 とのこと。(こんなことブログで書いたら怒られるかな?) その通説は本当なのですが、最近の左官工事では割れないようにする工夫があります。写真のようなファイバー系のネットをモルタルに塗り込めます。このネットを塗り込むようになってから激的に割れが少なくなったとのこと。

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↑ 今回は仕上げ材が5mmありますので、ネットはモルタルの中塗りの時点でペタっと表面に貼り塗り込めます。

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↑ 中塗り終了後はこんな感じです。仕上げ材が3mmほどの吹き付けるタイプの場合は、中塗りに塗り込めると表面に出てくるので下塗りに塗り込めるとのこと。モルタルが乾いてから仕上げ材の左官になります。

絶対割れないか? と言われれば、割れることもあると答えます。割れはファイバーメッシュが入っていれば中塗りの前で止まると予想され、巾0.3mm以内であれば建物への影響は無いと思われます。

左官壁は、割れや汚れへの対抗策を講じてあれば、表情も豊かでメンテナンスフリーの信頼できる素材だと思います。汚れへの対抗としては、汚れた雨水が壁を伝うことのないようにする為に軒を深くしたり、換気扇のフードや窓などの出っ張りを伝う水が壁を伝わないように水切りを設けるなどが考えられます。多少高価になるかと思いますが、仕上げ材に長期の使用に耐えられるものを選ぶことも大切です。

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↑ 屋内の方は床板を貼り始めています。吉野の桧でそれはそれは良い表情の床板です。大工さんも一言、「綺麗ですね~」 コンパクトカメラではイマイチその良さが写りませんで、竣工時に一眼レフで激写したいと思います。

兄が材木市場から仕入れてきた吉野桧の床板ですが、吉野の桧は他の産地のものに比べて油分が多いとか。木材保護塗料と呼ばれているものの染み込むタイプは、そのほとんどが亜麻仁油とか、桐油、菜種油などの油分です。床板の油分は水を弾きますので、汚れがつきにくくなります。吉野桧はそのものに含まれる油分が比較的多いということ。磨けば光る床と言えましょう。ええ。とても美しい床板です。

壁の青く見える部分はスタイロフォームの断熱材です。横方向に下地材が入っていますが、下の下地材は将来の手すり取り付けのため、上の下地は絵を飾るためのものです。

只今、追い込み作業中です。


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戸袋の防火 [セカンドライフを楽しむ家]

 雨戸の戸袋部分ですが、防火対策が完了しました。アルミサッシの雨戸に大工さんの造作で戸袋を作ります。戸袋は雨戸が出入りする事から密閉扱いにはなりませんで、戸袋の中にも火が入ると考えられます。戸袋の建物側の壁で建築基準法に則った防火対策を施す必要があります。

。。。と言葉で説明するのはなかなか難しいと思いますので、現場の写真を。 

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↑ 東から建物を見ています。玄関は木製建具の引き戸なのですが、ここも戸袋の内部にモルタルを20mm塗装しました。右端に見えるのはポストです。ポストの建具は木製建具になりますので、ポストの内部壁が防火の壁になります。

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↑ こちらの写真の方がよくわかるかと思います。 アルミサッシの周りに戸袋を設け、戸袋の中にモルタルが塗られています。雨戸はこのモルタル壁の外側を通ります。 

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↑ 出窓の下部分にも、きちんとモルタル塗装しました。

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↑ 今朝の状態です。戸袋の外側の壁を作るために下地の板が貼られていました。明日から、外壁業者さんが入ります。外壁が完了すると建物の雰囲気がよく分かるようになるかと思います。楽しみです。


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板金工事 [セカンドライフを楽しむ家]

猛烈に図面書きの日々でございます。久しぶりにブログを開いたところ、前面に広告あり。管理ページを見てみると、60日以上の更新がないブログには広告が掲載されるとか。これまた反省の日々でございます。

セカンドライフを楽しむ家は、職人さんの手仕事が着々と重なり、本当に良い住まいになりつつあります。現場監理の報告は図面書きが一段落したところで、遡って更新したいと思います。

取り急ぎ、心が躍りました板金工事を報告いたします。木は雨が当たり続けると腐りますので、それを防ぐ意味から、ガルバリウム鋼板の板で覆います。これがまた、美しい仕上がりになっておりまして、久しぶりにブログで報告せねばと思った次第。板金の仕上がりを前に、頬が緩みっぱなしでございました。フッフッフ。。。イイゾ♪イイゾ♪♪♪

瓦や木、板金、左官、昔からある材料は、その実績から真に信頼できる材料です。瓦は飛ぶ、左官壁は割るなど、欠点ももちろんありますが、そこは現代の技術で改善されつつあります。新建材を使えば安く、早く出来ることは間違いないのですが、古くからの材料は、何といっても耐久性が期待できます。何せ、朽ち方が美しい。しかし、彼らは古くからのデザインに頼って、どうしても古臭さを醸し出してしまい、敬遠されがち。これらの古くからの信頼できる材料が醸し出す古臭さを一蹴し、モダンなデザインにすること、これはワタクシの設計屋としての生涯を掛けた目標です。

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↑ 美しいでしょう~このショット♪♪♪ 窓は予算もありますので、アルミサッシを使いました。都会では防火の関係上、おおよその窓が防火性能のある窓にしなければならず、ほとんどの場所で、建具屋さんに作ってもらう建具を外部開口部に設けることが出来ません。防火性能の見込める木製建具はあるのですが、何せ高額。アルミサッシは最適だと思うのです。雨が多い我が国では、雨がアルミサッシを伝い外壁を汚すことは多々あるわけなのでが、これを防ぐための策を考じました。

写真は上げ下げ窓の下の方、壁との取り合いを激写しました。アルミサッシ周りに木枠を設け、縦枠を伝う水が壁を汚さないように下枠を縦枠より伸ばし、板金を巻きました。サッシの下にはもう一つ押縁といいまして、木が横方向に入ります。実はこのディテール、ワタクシの頭の中で長年温めてきました詳細でございます。フッフッフ、、、ニンマリ。。。

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↑ バルコニー壁の下の見切りは、木が雨に濡れないように、大きく板金を巻いてもらいました。美しいです。ハイ。ここは、屋根がありませんので木が腐ること間違いなし。木を見せて体裁を整えるよりも耐久性を重視しました。網が見えますが、これは壁内通気です。壁内通気は断熱性能を高めるものですが、ここはバルコニーの腰壁。どちらかというと、木の健康維持のためです。

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↑ 今時はシャッターを付けることが多いのですが、お施主さんは雨戸派。サッシの雨戸ですが、戸袋を大工さんに作ってもらいました。戸袋の庇にもしっかり板金を巻きます。壁際、立ち上がりを100mm以上でお願いしたのですが、板金屋さんには 「寒冷地仕様ですか?」 の一言。関東では40mmくらいしか立ち上がりを作らないのが常識とか。

戸袋の中には厚20mmのラスモルタルを塗ります。戸袋の外面にも20mmのラスモルタルを塗るわけですが、戸袋の中に火が入っても燃えないよう、防火ラインに気を使いました。

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↑ 玄関周りです。玄関扉は防火の恐れのある範囲を外したところに設けまして、国が定める防火性能のものではない建具が入ります。引き戸で、装飾ガラスを入れますので、これもまた、出来上がりが楽しみです。玄関土間は通常、高さを調節するために基礎とのレベル差をコンクリートで埋めるのですが、今回は、その選択はせず。床下の健康を考え、玄関土間の下も他の床部分と同じように、基礎スラブ上を空洞にし、他の床と同じ厚さの断熱材を入れました。段差は上がり框部分で150mm、アプローチは90mm高さの階段と、出来る限り小さく設定しています。

建具右には戸袋横にポストを作りました。玄関先から道までさほどスペースがありませんので、壁付のポストはスッキリした印象になることでしょう。

今週末には、ワタクシの実家の中村木材㈱から桧の床板や松の上がり框、階段板が搬入されます。ほとんど話をしない兄妹ですが、先週末から、跡取りの兄と電話で打合せ続きです。もしかすると、こんなに兄と話をするのは、兄が大学入学で家を出て以来かもしれません。実家の工場で何年も乾燥された松材を見ながら育ったワタクシとしましては、あの熟成の松材を使えると思うと、これまた何やら感慨深いものがありまして、出来上がりを見るまでは落ち着きませんが、長年の夢が一つ叶うような、そんな思いさえしたりして。。。(´;ω;`)

ささ、図面書き、図面書き。。。働きますゾ!


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