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ジャパンホームショー2008 [ものづくり]

先週の木曜日、国際展示場で行われたジャパンホームショー2008に出かけて参りました。どちらかというと設計者や施工者といったプロ向けの建築情報満載の展示会です。

今年の春に全国の工務店さんの団体JBN http://www.jbn-support.jp/index.html のお手伝いをさせていただいていたこともあり、まずはご挨拶。 

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金物や配管などの住まいの建設に関わるメーカーさんの資料あり、耐震構造などの講習ありで、盛りだくさんでした。建物の骨組みが展示されていましたが、国土交通省が勧める長期優良住宅の模型で、全て国産材、柱や土台は4.5寸(135mm)角とのこと。ワタクシとしましては普段使う寸法でして、大きな驚きはありませんでしたが、展示場に入るとなると迫力があるものです。

環境関係の新製品が多くなったように思います。2程年前には少なかった遮熱シートの種類が一気に増えたような。住宅では、取り入れてもさほど効果が無いのかなと感じていました制振構造やら、免震構造やらもあり、興味深い展示会でした。

新技術は勢いで取り入れてしまうと、実績が無いだけに思いもしなかったことが起こったりします。本当に使えるものなのかどうか、見極めが大事ですね。。。


コメント(4) 

コメント 4

fuji

行って来られましたね。ありがとございます。

1/1模型(?)は迫力ありますね。
実際の大きさのがドーンとあると、インパクトがあるし実感も沸く。

落とし金物を使っていますが、別にこれが標準でもなく、次回に使いまわせるのと、組み立てやすさ、解体しやすさを考慮してのことなのでしょう。

現在、我が社でも全建連仕様の200年住宅を検討しているのですが、どこまで伝統継ぎ手が許されるのか・・また、実際の住宅性能表示仕様に沿った継ぎ手の金物補強とかは全建連の仕様に沿っているのか確かめながらの構造計画となります。
何せ、最近、プレカットや在来木造はやってないので、その辺はシロウトに近い。
「ここは、こんな継ぎ手でいいのか?こういう方法でなければ弱いんじゃないか?」
みたいな格闘をしております。

地震後の補修の容易さとかの工夫も取り入れてほしいのだな・・
ウチの200年住宅は、ちょっとこだわったバージョンになりそう・・

by fuji (2008-11-25 20:59) 

tun

自慢ではないのですが、ワタクシも実際のところ、伝統的仕口継ぎ手の住まいばかりを設計してきた身でして、お気持ちよくわかります。

1軒は80ミリのALC版を2階の床に乗せたこともあり、全て集成材というのもあったのですが、それも接合金物は構造計算の上、製作してもらいましたので。。。

耐震等級2ですし、大変そうですね。。。またご教授いただけると幸いです!!!
by tun (2008-11-26 18:46) 

fuji

地震の経験で、屋根や床は意外と持ちます。
床剛性を確保するために、根太落しや根太レスの厚合板を採用しているようですが、性能表示上ではどんなに厚合板を使っても同じ。
通し柱に通しホゾで横架材を四方から通し、横架材同士を「渡りあご」にすれば、それだけで一体になるのですが、そういう構造的なものは床合成とは無関係と考えられています。
同じことが小屋組みでも「中引(なかびき)」の考え方でもあり、梁なんて「あばら骨」みたいなもので「背骨」にあたる「中引」が無い小屋なんて、火打ちでもっているようなもの・・それでも屋根はそれだけで変形が少ない部分です。
地震で倒れた建物を見ても、屋根が変形しているなんてものは皆無。そっくりそのままの姿で残ってます。

「屋根に水平剛性なんてもたせる意味があるのか??」

てな具合に、現在の在来木造がとても不思議に思える。
しかも、標準図なんて無いんだよね。性能表示で1.25とか1.5倍なんて壁や床の性能だけでしょ?木構造は一切触れてないのも、おかしく、かなりあやふやなところで造られていて、これって変じゃない?
検査員も分んないんだろうな・・

横架材の継ぎ手に金物を補強する図もあるんだけど、どこまでやってるのか・・通し柱に差さる梁だって「傾木大入れ端ホゾ差し」でしょ?プレカットじゃできない。でもこんなの地震に弱そう。すぐ抜けそう・・

木構造をもっと見直してほしい今日この頃・・(愚痴か??)
これでいいのか?日本人?

by fuji (2008-11-26 20:34) 

tun

床に厚合板を使った場合、四方を釘打ちすれば床剛性は3倍に上がるのでは? 合板の厚さではなく、釘でどれだけ固めるかというのが性能表示で掲げる仕組みのようですよね。

在来工法と伝統工法の大きな違いは、剛の構造(在来)か、柔の構造(伝統)か、という考えの違いなのではないかと思っています。木の性質を活かし、接合部が柔らかく、全体で力を受ける粘りのある構造が柔、ボルトや釘でガチガチに固めてしまって、力に対して動かないことで対抗しようとするのが剛。

プレカット図と基本設計図を見ながら監修するお仕事をしたことがありますし、プレカット工場にも行ったことがあります。彼らはとても研究熱心で、実験も繰り返し行われていますし、構造計算も行っているので、壁と床と、釘とボルトで固める彼らの構法も新築時には充分強いものではないかと思うのですよね。(何せ、彼らは、構造を考えながら作っていないゴチャゴチャの平面図に対しても、プレカット図を製作するのですから、すごいものです。)

でも、木の性質を考えると、木は本当によく動くもの。個人的には、釘とボルトで固めている部分は、何十年という経年変化に対しても対応できるものかどうかは非常に疑問に思います。軸組みにしっかり組み込む形のボルトであればまだ良いと思うのですが、表面と表面を結ぶだけの金物でつなぐ構造は甚だ疑問。

さらに、剛の接合金物に対して、木がどこまで耐えられるのか、疑問です。裂けてしまうのではないかなと。。。集成材でヤング係数の高い材ならまだ何とかなるのかもしれませんが。。。あくまで、個人的意見ですが。

なので、性能表示で1.25倍の構造、1.5倍の構造というと、さらに剛に固めなさいというわけで、木造という構造、木という性質を考えれば、本当にそれがベストのやり方なのかというと、これまたやっぱり疑問なんですよね。。。あくまで剛にする構造が木造を法で整えるには一番良い、と考えられている国交省の方々が作った仕組みなので、ランクをつけるにはその方法しかなかったのかもしれません。

といっても柔の構造も、それぞれ自己流で育ってきたものばかりなので、本当に良いのかどうか、どうなのだろう? なんて思うところで、盲目的に信頼するのは怖い思いもあります。伝統木造の意義と効果を冷静に、実験などで検証を続けることはとても大事だと思っていまして、木の建築フォラムなど、実際に動き出している先人はたくさんいるようでして、出来る限り講義やら研究に参加していこうと思っています。技術者なので試行錯誤と研究が大事ですよね。

剛にすると楽は楽なんですよ。法が既に基準を作ってくれていますし。
柔の世界はまだまだ頑張らないと 。

というわけで、現場の人よ、頑張りましょう!!!


by tun (2008-11-28 15:20) 

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