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木の香る住まいづくりセミナー2007-1 [木の香る住まいづくり]

27日土曜日に石神井庁舎で、「木の香る住まいづくりセミナー2007」 の第一回目のセミナーが開催され、13人の方にご参加いただきました。ご参加いただきまして本当にありがとうございました。

 昨年、打ち合わせにお伺いするたびに大雪が降ったり、嵐が来たり、お施主さんから、「嵐を呼ぶ女」 との愛称をいただきましたワタクシといたしましては、「やってしまったか。。。」 の思いだったのですが、大変な嵐の中、お越しいただきまして本当にありがとうございました。

スライドでのお話はそこそこに、じっくりと皆さんとお話出来たのは、とても良かったと思います。いただいた質問とお答えを、少しばかりまとめます。

 

 

Q.この活動は全国的なものなのか?

A.もともとは1984年に行われた、林野庁の「国産材ハウス」コンペが始動だと考えています。それ以前から、世論の高まりはあったのですが、山の状況を何とかするために、主流となりつつある外材を使ったハウスではなく、国産の材料を使って、良い循環を生み出そうという考えのものと、生産地である山から施工者、住まい手まで、川上から川下までの流れを再構築しようというものでした。現在は、地域ごとにこういった草根活動は盛んに行われています。練馬でも、東京建築士会練馬支部が中心となって活動を始めたところでして、今回が第1回目です。

 

Q.木造住宅は振動や音に弱いと聞いたが。

A.音や振動は、質量で対抗するものなので、確かに木造とRC(鉄筋コンクリート)造とを比較すると、RC造の方が性能は良いと考えられます。コストとの関係もあるのですが、1階と2階の間であれば、遮音シートを敷く、ALC板といって軽量コンクリート板を敷いて性能を高めることは可能です。外壁側も同様に考えられます。振動は地盤にも関わることですので、地盤改良をどの様に行うかにも関わってきます。周辺の状況を考慮して設計を行うのですが、環状線沿いの住まいなど、相当な振動を考慮しなければならない場合は、1階はRC造、2階は木造などの選択をすることも考えられます。

 

Q.耐火構造としなければならない地域なのだが、木造は出来ないのだろうか?

A.コンクリートで外壁を作らなければならないので、マンションリフォームと同じように、外回りはRC造にして、室内インテリアを木造にするという方法が考えられます。建築基準法でも木造の防火についてこれまで認められなかったことが認められるようになりました。http://www.howtec.or.jp/kokomademokuzai/fireproof/index.html 「燃えしろ設計」http://www.howtec.or.jp/kokomademokuzai/fireproof/1-2m.htmlといって、構造として求められる断面よりも大きい断面であれば、木造でも準耐火構造が可能です。コスト高ではありますが、外壁に土壁を施して仕上げに木板を張る、防火性能を上げる薬剤を加圧注入する木板を使うことも出来ます。

 

Q.シックハウス対策について、家具については対応されないままなのか。

A.家具は国土交通省の管轄ではないので、依然、対策がとられていないというのが現状です。建築基準法で換気することを厳しく定められているのは、建物側で対策を行っても、家具など、後々入るものが有害であると問題になるからと考えてよいでしょう。におわない有害物質もあるので、換気は必要なのです。

 

Q.木材の塗装はどういったものを使うのですか?

A.自然素材の、木材に浸透する塗装を使います。ウレタン塗装といって表面に膜を作るものは木材の呼吸を妨げ、ゆくゆくはボロボロとはがれてきて、メンテナンスとしても返って手間がかかることがあります。木材に浸透する塗装は、年に何回か住まい手さんに塗装を行っていただかなくてはならないのですが、新建材のように新品が一番美しく後は汚れていくだけの材料と違い、手を掛ければ手を掛けるほど時を重ねた風合いを楽しむことが出来ます。

 

Q.設計者と施工者にも相性があると聞くが、知人の大工さんに施工をお願いすることは出来るか? また、施工者を紹介してもらうことはできるのか?

A.相談次第だと思います。大工さん側でも、普段やっていないことを朗々として取り組みたいと思う方もいらっしゃいますし、やりたくないと仰る方もいます。設計者が施工者を紹介することは可能です。

 

とても良い活動だと励ましをいただいたり、草の根運動に尽力するワタクシといたしましては、嬉しい限りの1日でした。私達の活動は、実際に建物が建たないと意味の無い活動です。皆様にご理解いただけるよう、活動を続けていきたいと思います。

 

次回は構造や施工に関わるお話です。是非、ご参加ください!!!

場所が練馬区役所になりますので、ご注意ください。

 

■ 木の香る住まいづくりセミナー2007を開催します。

http://kinokaoruie.blogspot.com/2007/10/2007.html

「木の香る住まいづくりセミナー2007」を、練馬まちづくりセンターの「まちづくり活動助成」を受けて、東京建築士会練馬支部「木の香る住まいづくり部会」の主催にて今年度3回開催致します。

企画段階から住まい手の方に入って頂き、設計者や工務店といったつくり手側の一方的な想いになりがちな家づくりセミナーを、住まい手の方が疑問に感じていること、聞きたいことを中心に据えたプログラムに致しました。ユニークなのは、プログラム作成に参加された住まい手の方のお宅を実際にどのように計画して、どんな疑問に答えながら、どのように建てるか、セミナー3回の中で、住まい手の方も参加して具体的に紹介していくことです。また、建て替えや新築だけでなく、既存の住宅のリフォームに向けた耐震診断や耐震補強法なども紹介して参ります。是非ご参加下さい。お気軽にお申し込みください。

 

第2回 どうやってつくろう木の香る住まい
12月15日(土)pm2:00~5:00 練馬区役所 19階1906会議室


1. 古い家って、地震が怖いの? 講師 今井 信博(現代計画研究所)
木造には様々な工法があります。それぞれの工法の特徴や事例を説明し、その上で、地震に強い住まいづくりの基本的な考え方を紹介します。また、既存の住まいについて、建て替えが必要なのか、リフォームが可能なのか、耐震診断や耐震補強法などを紹介します。
2. 設計者・工務店ってなに?(Iさん宅計画) 講師 加来 照彦(現代計画研究所)
エっ!と世間を騒がせた耐震偽装問題。設計者って一体なんだろう?工務店って何をしてくれるの?住まいは、どうやって誰がつくってるの?設計屋さん・現場監督さん・大工さん・職人さん、意外にプレカット機械がほとんどつくってるのでは?様々な疑問にお答えします。

 


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