落し込み板壁 [木の香る書庫]
6日、7日と確認申請を提出すべく、遠方の役所に出かけておりました。小さい建物なので、さほど心配はしていないのですが、何とか、無事、受けつけていただき、安心しております。この調子で工事も無事終えたいところ。今回の申請建物は、杉の落し込み板による耐力壁を持った小さな書庫です。
落し込み板というのは何とも不思議な魅力があります。何せ、室内空間をすべて杉板で造ることが出来ますので、深呼吸が心地よいと言いますか。それに、間伐材を利用できますのでエコな素材と言えましょう。ただ、通常、隣地境界線付近など、延焼の恐れのある範囲というのがありまして、延焼の範囲に入る壁は、室内側、屋外側ともに30分の火に耐えねばならないという建築基準法上の定めがあり、その範囲に入る壁は杉板を使うことができません。例えば、勤め人だった頃の物件で、落とし込み板を使った建物http://members3.jcom.home.ne.jp/nonki3/sakura.htmlがありますが、これは隣地境界線から距離があるため、延焼の範囲に入っていないことから計画が可能となった建物です。
木の板は可燃性だから使えないと言いますが、実際、厚板は火に対しては強く、表面に炭化層を造り、芯まで火が入るには相当時間がかかるのが本当のところです。これを実験を行い、厚板(落し込み板)も防火基準に対応できますよ、という、国交省からの認定を平成19年5月に得たとのこと。http://www.zenkensoren.org/news/15news/img/itakura.pdf要は、この認定書があれば、上の例のような建物が、そのほとんどの外壁が延焼の範囲に入る都会でも建てられるということ。
昨年の11月に木の建築フォラムの安藤邦廣さんが講師をされる講習に参加しまして、この認定書を入手、早速、それを活用することにしました。講習会費¥35,000 という、まさに、技術は無料ではないと訴えたいところですが、これまでに200社の方がこの講習を受けたとだけあって、木を使った建て方を勧める建築屋さんにとって、この講習会で配布される認定書の数々はとても貴重なものでありました。防火構造に関するもの以外にも、落し込み板の耐力壁倍率、金物を使わない接合部に関する大臣認定もありました。従来の建築基準法だけでは語れない木造がある、そんな諸先輩方の心意気が感じられます。
早速、今回、この認定書を添付して確認申請を提出したという訳です。
さぁ、やりますよ~生粋の木造を!!!
あけましておめでとうございます。
色々なことに挑戦してみるのは、いいことです。
木の可能性を探る。
そうして、山の木が里に出て、整備されれば良いのですが・・
by fuji (2009-01-13 18:25)
fujiさん あけましておめでとうございます。
昨日、全建連さんにお邪魔しまして、
諸先生方のご尊顔を拝す好機をいただきましたよ。
やはり、全建連の方々とお話をすると元気が出ます!
色々と思うこともあるのですが、木を使った家をとにかく多くプロデュースしなければ話が進まないように感じています。地道に頑張りましょう!!!
by tun (2009-01-14 19:02)
最近、市や県とやりあいながら、森林組合と戦う(?)ことが多くなってます。
戦うって言うか、今後、どうやって山の木を出させるか話を煮詰めている。
先月は住生活基本法に端を発した「長岡市住宅政策マスタープラン」のパブリックコメントの際に、森林組合に「地元の山の木」の流通促進の意見を出すように要請するのに四苦八苦。
今月は、国交省の「地域住宅モデル住宅」を使って、森林組合にモデルハウスを提供して(全建連ベースで・・)そこから山の木を使った家の情報発信をさせようと仕組んでいるのですが、県とのからみが大変で・・(推薦もらうのに)
ライフワークとは言いながら、会社の仕事そっちのけでやってるときもある。
儲けにもならんし・・・
それでも、この身を動かすのは、山の木を流通したいという一心のみ!
by fuji (2009-01-20 17:10)
ご活躍、目に浮かぶようです。
先週、全建総連さんのお仕事をさせていただいた関係上、
国交省が進める長期優良住宅の主旨を何とか理解したところです。
国産材を使うことを全面に、法律の文言の中に入れているようす。
全建連の皆さんの努力の賜物と、
夜中に法文を読みながら感動したものです。
地味だけど、芯の通った動きがやがて大きくなっていくものだと思います。
頑張ってくださいね!
ワタクシも地味に、使ってもらうことを広報していこうと思っています!!!
by tun (2009-01-27 20:31)