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生演奏の魅力 [音楽]

相変わらず、時間を見つけては、練馬文化センターでの無料または格安講演会に出かけています。年末には、上智大学のマンドリン演奏会に、年明けには、大江戸交響楽団の演奏会に出かけました。

マンドリン演奏会は何と言っても指揮者の方が素晴らしかったように思います。編曲も担当されていて、じっくり聴かせるところ、広がりのある音を聴かせるところ、指揮者の腕を見た、そんな印象を受けました。元はといえば、「威風堂々」 が演目の中にありまして、是非とも聴きたいと出かけたわけですが、マンドリンの海辺での夕焼けに向かって奏でているような、少々物悲しくも感じる音色に、また新境地を見た思いでした。埼玉スタジアムで聴いている、数万人におよぶREDSサポーター陣のずっしりとした地鳴りの様な威風堂々http://jp.youtube.com/watch?v=e7xH7b0jJaA&feature=channel_pageとは、またぜんぜん違う。。。^^;

大江戸交響楽団の演奏会にはどうしても行きたい思いがありまして、強行日程の中、出かけて参りました。演目のベートーベンの「英雄」は、学生の頃、レベッカ、マドンナと並ぶ、よく聴いた3枚のCDの一枚です。指揮者はもちろんカラヤン。大学までの片道1時間弱、車の中で聴き倒したその曲には強烈な思い出があります。特に、叔母が亡くなった時は、数日このCDばかりを聴いた記憶がありまして、どちらかというと社会人になってからはその印象が強く、全く聴いていなかったというのが正直なところ。久しぶりに聴く「英雄」に自分がどんな反応をするのか、体感してみたく出掛けた次第です。何せ、自分の中の対抗馬がカラヤンですから、他の追随を許さないものであることを再認識したわけなのですが、不思議と、お恥ずかしながら泪が止まりませんでした。音楽には不思議な力があるというのは本当のようです。しみじみと実感。。。

だけれど、先日、たまには少し奮発してプロの仕事も聴きたいと、「加古隆ピアノコンサート」 に行ってまいりました。加古隆さんは、NHKの「映像の世紀」メインテーマの「パリは燃えているか」 「白い巨塔」 などを作曲されている方です。http://www.takashikako.com/ 白いシャツに黒いスラックス、黒いかちっとした帽子のお姿そのままに、実に凛とした演奏でした。切ないほどに重苦しい様に、心が背伸びする様、光や水、雪に風、もののあるがままの生き生きとした場面が次々と展開されます。まさに、オリジナルとはこういうことを言うのだろうなぁ、などと思いつつ。自身で音をつくり、自身で演奏することの自由な様。後半は、ヴィオラの番場かおりさんも加わり、落ち着きのある大人の世界とでも言いましょうか。ヴィオラこそしっくりきます。正解。素晴らしい!

プロの仕事、アマの仕事、当然差があって当たり前なのですが、近頃はその両方に魅力があるように感じています。何せ、生演奏は何ものにも代えがたい、人間ドラマが伺えるように思うのです。余談ですが、サッカーは、11人の競技者がその時々の体調はもちろんのこと、監督が何を考え、試合前に何をしたか、試合中に、その時々にどんな動きをするか、個人では到底生み出せないほどの力を組織として備えているか、時々刻々と生もののように変わる様が魅力の一つであると感じています。演奏の世界もまた然り。この恐ろしいほどの生もの的感覚こそが、生演奏の魅力なのではないかと思うわけで。


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