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建て方 [子育てを楽しむ家]

 10月14日から3日掛けて建て方を行いました。構造材の調達は三重県四日市市のワタクシの実家、兄が営みます中村木材http://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300306779-1 に依頼しまして、兄と父がそれぞれ10tトラックを運転し、構造材が現場に到着しました。

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↑ 西の幹線道路は道路占有許可を取りまして、警備員さんを配置の上、道路半分を占有しました。敷地一杯一杯に建物を配置してるので、一気に運ばれてくる材料をどこに置くのか、間違えず順番に大工さんに手渡しできるのか心配でしたが、北隣の親戚の方の駐車場をお借りし、道路半分を占有し、地域の皆様にご協力をいただいたおかげで、工事を滞りなく進めることが出来ました。深く感謝申し上げます。

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 ↑ 現場はすでに1階床の構造用合板が張られていました。構造用合板は釘止めされていませんが、作業する側とすれば足場が安定しているのでやりやすいです。

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↑ 1階床下です。井桁に組んだ大引き(水平方向の床を支える材)を鋼製束が支えます。床が高いので、万が一、施工後に床鳴りがした場合でも、床下に潜って高さを調節することができます。

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↑ 柱は土台と同じく、尾鷲ヒノキです。写真は管柱(くだばしら)と言って2階の小屋組みを支える短い柱です。全ての材の年輪が非常に密で感激でございます。四季を迎えるごとに刻む年輪ですが、密であればあるほど強度を期待できます。大壁の金物を使う構法なので接合部のための断面欠損を抑えられますが、通し柱は150×150か、壁厚が取れないところは120×150mmとしました。部分的に太い断面の柱を使ってもデザイン的には問題ないのですが、何せ準耐火構造という法規的制限がありますので、壁内に収めることを第一に考えました。

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↑ 柱のこのヒノキ油!尋常じゃありません。尾鷲ヒノキの強度と耐朽が目に見えるようです。

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↑ 梁(水平方向の構造材)は基本は米松で、大梁はオオシュウアカマツの集成材を使いました。写真の梁は米松の無垢材ですね。この断面サイズで芯去り材(丸太の中心の含まれていない材)なんですから、どれほど大きい丸太だったことでしょう!

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↑ プレカットの接合部を金物でつくる構法はプラモデルのようにパタパタと組み上げていくので、比較的建て方は早く進みます。

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↑ 2階の床梁が組みあがりました。なかなかの迫力です。

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↑ 歩道を超えて次々と材料が空を飛びます。さわやかな秋の空がとても綺麗でした。

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↑ 柱間を2.5間(柱と柱の距離を4,550mm)にするためにロフトや屋根の組み方も工夫しています。左の青いシャツの方が棟梁の小松さんです。まさに主役のお方です。柱はヒノキ油の浮きが見えますね。ほとんどの柱が油ぎっていまして、こんな光景は初めてです。尾鷲ヒノキ恐るべし。。。

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↑ ハウスメーカーによる住宅建築が多い昨今、この構造材を道路にまで広げての建て方は人目を惹きまして、「木のいい香りがして、いいね~」と通行される方に声を掛けていただくこともありました。何とも誇らしく、ニンマリでした。

 建て方二日目終了後にお施主さんのご厚意で上棟式を行いまして、お施主さんのご厚意で工事関係者とお施主さんとの顔合わせを席を設けていただきました。いよいよ、職人さん達の仕事が拝める段階に入って参りました。楽しみでもあり、決めなければならないこと満載で緊張感あり。まずは一安心です。


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土台敷き [子育てを楽しむ家]

 今回の木構造材の調達は、兄が経営しています中村木材http://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300306779-1に依頼しました。大工さんの手刻みで納めることも考えたそうなのですが、柱と柱の間隔が広いので、梁材の調達と刻みは東海プレカットさんに発注で、配達は兄と父が出動です。

 土台(どだい:基礎と緊結する木の水平方向の構造材です)と大引き(おおびき:1階床を支える水平方向の材です)は尾鷲ヒノキの4寸角(120×120mm)の一等材(節あり材)を使いました。関東大震災に尾鷲ヒノキを使った家屋の倒壊が少なかったことから良材と認知された材で、油分が多く、耐朽性(たいきゅうせい)(腐りにくさ)に優れていまして、土台や柱に最適です。28mm厚の構造用合板で床を作りますので、大引きは井桁に組みます。

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 ↑ 今回、土台と基礎の間は厚さ9mmのステンレスパッキンを使いました。おおよその現場では20mmや25mm厚の樹脂製品が使われていることが多いと思うのですが、ステンレス製の方が耐久性が良いことと、出来るだけ基礎と土台を離さない方が構造的に有利という観点から、金額的には値が張るのですが、お施主さんの了解をいただきまして実施に至りました。床下の換気量を考慮して20mmや25mmを使うのですが、換気は別に丸穴を開けましたので心配ご無用です。メーカーの説明では、塊で土台を持ち上げる樹脂製品に対して、折り紙を折りあげるようにして形作ったもので土台を持ち上げるので、この9mmの隙間で床下の換気量は充分補えるとのことですが、建築面積が大きいこともあり、換気口を別に設けた次第です。

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↑ 風基建設さんは基礎の高さの微妙な調整を鉛板で行うとか。右写真は9mm厚のステンレスパッキンです。


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コンクリート打設 [子育てを楽しむ家]

 9月8日と12日にコンクリート打設を行いました。雨の多いこの頃でしたが、コンクリートの養生としては湿潤の中、硬化時期を経るのは良い条件です。

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↑ 床部分の打設を終えまして、立ち上がり部分の配筋が終わりました。半分床基礎に埋まっているステンレスの止水板が見えますが、水の侵入を止めてくれます。 

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↑ 立ち上がり(基礎壁)部分のコンクリート打設です。敷地南の道路は幅員4m未満の狭あい道路なので、ここにコンクリート打設のポンプ車を停車するのは無理でして、やはり敷地西の幹線道路側に設置しました。道路占有許可に警備員さん配置で施工です。道路には歩道があり直接横付けできませんので、ポンプ車登場です。 

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↑ 立ち上がり部分(基礎壁)の高さが通常より高いので、職人さんからも「高いね~」のつぶやきをいただきました。玄関の入り口部分も高さは下げましたが基礎壁を回しましたので、外の土から水やシロアリの入る確率を減らせるかと思います。

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↑ 型枠を外しました。基礎壁が高いこともあり、なかなかの迫力です。外から水が入ってこないように対策をしましたので、当然ながら、内に入った水は抜けないわけで、立派な水たまりが出来ました。お施主さんには心配をお掛けしましたが、コンクリートの養生を考えると、強度を高めるためにはとても良い条件でして、木構造の建て方までは、このまま水たまりを維持する方向で進めます。 

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↑ 基礎壁の外にある基礎床が耐圧板です。耐久性優先で、水セメント比55%、呼び強度24、スランプ15cmで硬いコンクリートだったので、上手く打設出来るかどうか心配でしたが、美しい打ち上がりで感激です。さすが風基建設さん、腕の良い職人さん抱えていらっしゃいますね~。

↑ 大きな丸穴は換気孔です。通常、基礎の換気口は基礎壁の上方部分に基礎を欠けさせる形で長方形のものを設けるのですが、今回は基礎壁が高いこともあり、丸穴を開けることが出来ました。(ちなみに通常の基礎はhttp://nonki-tun.blog.so-net.ne.jp/2012-04-18)基礎壁上部のコンクリート内部には比較的太い鉄筋が水平方向に通っていますので、途中でこれをカットして設ける前者より、四周鉄筋を切らずに鉄筋を通すことのできる丸穴は構造的にも有利かと思います。コンクリートは打設後数年は湿気が出ますし、湿気を逃がさないと基礎に緊結する木構造が腐朽しシロアリを呼ぶことになります。換気口をしっかり設けることで床下は外部空気を通して、カラカラ健康状態を維持します。そうは言っても最近強靭になりつつシロアリですので、もしものことも考えられます。床が高いですので容易に床下に潜れますし、どこからでも床下の状態が見えるので、シロアリなどのへ対策がすぐに打てるかと思います。

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↑ 建物外周にデッキを設けますので、配管関係はすべて床に埋めず基礎壁から外に出します。通常は外周を歩いたりしますので、外周見えるところから配管を出さず基礎床に斜めに配管を入れて外に出し、土間と平らに仕上げます。対して、今回は壁から外に出しますので、維持管理が容易になりますし、土の中の配管と基礎の隙間からシロアリが入ることもありますので、ここでもシロアリの進入路を断つことにつながります。


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鉄筋工事 [子育てを楽しむ家]

  計画段階で最大の悩みは高さ関係のおさまりでした。お施主さんのご親戚がお住まいになる北隣地とは、接する位置で1mほど低い高さ関係にありますが、この北隣地の庭は是非とも取り込みたいところ。西側と南側は道路に接し、-60cm~+30cmの高低差があります。さらには建築基準法の高さ制限であります北側斜線と、敷地に課せられた最高高さ8m以内、さらには、お施主さんからいただきました食堂より30cmほど低い居間に、食堂より40cmほど高いプレイルームと、この高さ関係をうまく収めることが最大の課題でした。

 悩みぬいた末に、解体建物計画と同じ設計GL(グランドライン)にしまして、とにかく建物は出来るだけ単純に、施工的にも強度的にも有利なシンプルな形状で進めることにしました。計画段階で、解体しました建物の地盤改良杭を利用する上でも、この方針は有利であると考えたわけです。

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 ↑ 既存杭の上に耐圧板を設けました。既存杭の位置に合わせているため、建物の外まで耐圧板を伸ばしています。帯のような5cm程の薄いステンレス板がありますが、止水板と呼ばれているものです。これは職人さんおすすめのもので、屋外から水やシロアリが入ってくるのを防ぐ意味があります。今回、耐圧板と呼んでいますコンクリート床よりも周囲の道路が高い部分がありまして、特に建物への水の侵入を心配してのことです。

 この耐圧板の上には柱の乗る基礎の、「立ち上がり」と呼んでいる通常40cmほどの高さのコンクリート壁を設けるわけですが、施工手順としては、耐圧板(床)のコンクリートを打設し、日を置いてから壁部分のコンクリートの打設を行います。なので、この基礎床と壁の間に隙間が出来てしまうと後々問題になるわけです。止水板は半分床に埋もれ、半分壁に入りますので、万が一、施工不良を起こした場合もこの止水板が水もシロアリも止めてくれるというわけです。

 耐圧板の高さは既存杭に合わせたわけですが、基礎の立ち上がり(壁)の高さを70cmほどにして解体した建物の床高より高く設定しました。

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↑ 写真左上に敷地南にある道路が見えます。道路沿いのブロック塀も既存のものを利用しました。ギリギリまで耐圧版を伸ばしました。写真右下の穴は、その先に既存鋼管杭があります。長さが足りなかったので、杭の蓋をカットして鉄筋を伸ばし、耐圧板のコンクリートと一体化させます。

 瑕疵担保保証のための配筋検査も無事終了しました。


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地業 [子育てを楽しむ家]

 敷地は条例により、木造住宅の場合でも準耐火構造にしなければならない区域です。これがまた、準耐火構造は初めてということもあり悩みどころ満載でして、確認申請がなかなか下りず頭の痛い日が続きましたが、8月19日にようやく確認申請がおりました。木の構造材の打ち合わせはどんどん進めていますが、お施主さんにも工務店さんにも随分心配をお掛けしました。翌日には工務店さんと基礎屋さんとで現場で早速打ち合わせを行いました。

 今回、土の中の工事で特筆すべきは、建て替えであることです。ほぼ同じ大きさで、ほぼ同じ位置に、何十年の間、戸建て住宅がここにあったことです。今回、その建物を解体して新築するわけですが、解体建物には地盤改良が施工されていまして、これがまた悩みどころでした。

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↑ 直径100mmの鋼管杭による地盤改良でして、71本がおおよそ5mの深さまで埋まっています。二本並んで入っていますが、配置計画を途中で変更したらしく、その変更に合わせてきちんと地盤改良した為のようです。基礎屋さんと工務店さんに確認していただいた上で、鋼管杭自体の状態が良いことから、この地盤改良を利用することにしました。利用しないとなると一旦抜くことになるわけでして、そのこと自体土を柔らかくしてしまうわけで、費用もかさむことが予想され、良いこと無しで心配していたのですが、工事関係者総意で再利用が決まりホッと一安心です。

 基礎は通常、建物の柱の位置を考慮して計画するものなのですが、何より既存杭利用ですので、この既存鋼管杭に鉄筋コンクリートの厚板(耐圧板)を載せる「べた基礎」工法としました。上部建物の柱の位置とは関係なく全体的に固い板を載せて、杭に均等に建物の重さを載せるイメージです。今回の建物範囲からすると外になる部分に鋼管が何本かありましたが、その鋼管も利用すべく耐圧板を建物外まで広げました。

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↑ 長い鋼管杭はカットしまして、蓋をして溶接止めしました。短い鋼管杭は既存の蓋をカットして、鉄筋とコンクリートを入れて耐圧板まで延ばすことにしました。

 暢氣至上、最高の建蔽率(敷地面積に対する建物面積の割合)の建物で配置にずいぶん気を使いましたが、何とか仮設のトイレも配置出来ました。基礎工事は工事最初の山場です。さぁ、いよいよですよ!


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地鎮祭 [子育てを楽しむ家]

毎日暑いですね。有りがたいご縁をいただきまして、只今、一戸建ての新築住宅の設計監理を請け負っております。実は去年の夏に依頼をいただいたのですが、「木の香る診療所」の改修もあり、取り掛かりが遅れてしまいまして本当に申し訳なく、御迷惑をおかけしましたが、何とか7月12日に無事、地鎮祭を迎えることが出来ました。感謝、感謝でございます。

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↑ 予定を決めた時は雨が続いていましたので、かなり心配しましたが、一転、熱中症を心配するほどの晴天になりました。朝、車で宮司さんをお迎えに現場近くの神社へ参り、まずは参拝しまして、本殿の神様に工事の無事をお祈りしました。宮司さんと桧の香りのする祭壇をお迎えする名誉をかみしめながら、清々しい思いで宮司さんとご一緒に現場に入りました。

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↑ お頭付の鯛や乾物といった海の物に、 野菜やキノコ、果物などの山の物、お塩にお酒、お水をお施主さんにご用意いただきまして、立派な祭壇になりました。

 お施主さんご家族、工務店さん、設計者が一堂に集い、無事、ご祈祷終了です。地鎮祭は良いですね。とても身が引き締まる思いです。

 お住いについて少しお話しします。我が愚息は6歳になり、相変わらず母親としましてはとても適当~な私ではございますが、設計屋としても子育てをいろいろ考えているつもりです。。。だったのですが、いやいやどうして。今回はお施主さんに子育てを楽しむ家とはどういうものか、ご教授いただいているように思います。基本設計や実施設計では、子供部屋はこれだけの広さが必要とか、衣類のおさまりはこうした方が良いとか、屋根の勾配はこうでなければならなとか、設計屋として凝り固まった思考がいつの間にか出来てしまっているんだなと思う場面が多々ありました。お施主さんの斬新なアイディアや建物に反映される子育て方針に、目からウロコ、新鮮な酸素を頭に注入していただいている思いでございます。その一方で、子育てを楽しむには、大人の時間を楽しむことの出来る住まいであることが必須であると思います。それはお子さん方が遊ぶ部屋とは一線を引いた部屋の存在も大事ですが、とにかく家事動線を短くすること、お子さんの動きを見ながら大人が動けること、維持管理が楽であること、などなど、心に余裕が生まれるような工夫を散りばめることは、もしかすると、子育てを楽しむためには何より最重なことかもしれないと思う次第です。竣工後にお子さん方が家中を、いやいや、敷地を超えて、ニコニコで走り回る姿を思い描きながら、図面書きに勤しむこの頃です。

 施工はお施主さんのご希望から、風基建設さんに請け負っていただきました。http://www.fuhki-shaji.com/company.html 風基建設さんとのお仕事は、勤め人の時に一度、独立してからは「木の香る書庫」でご一緒していますので、今回で3回目です。いずれも同じ担当の方で、女性で、かなり頼りになるお方。ちなみに、私が生誕した日から一週間後に御生れでして、しかも、私の実家近くに住む幼馴染とお名前も誕生日も全く一緒という、何だかご縁を感じる方です。確固たる技術を持った工務店さんですので、監理者として対峙するのはもちろんなのですが、駆け出し中の大工さんのように色々と技を盗むつもりで、謙虚に取り組みたいと思います。そんな余裕は全く無いかもしれませんが。。。いやいや、兎に角、アクセル全開で頑張ります('◇')ゞ


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